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祐介物語1-8 ハイ!ハイ!ハイ!

祐介物語1-8 ハイ!ハイ!ハイ!
戦後(1946年 昭和21年)生まれの祐介という子が、たくましく生きた物語です。
戦争の傷跡が、街のそこここに残る墨田区(スカイツリーを間近に見る)を中心とした
昭和20年代後半から30年代の頃の話です。
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うるさく迷惑千万
祐介は、小柄で俊敏の上、目立ちたがりである。
高学年になると、授業で先生が質問したことに、答えたくて仕方なくなる。
どの教科でもそうだが、特に、算数の時間は祐介が得意だけに、手の上げ方は半端でない。
先生が質問すると、『ハイ!ハイ!ハイ!』と連呼し指名を求める。
質問の答えとしては、間違いではないが、
ゆっくりじっくり考える子にとっては、うるさく迷惑千万であった。
先生も分かっているので、祐介が手を上げると、『静かに手を上げなさい』と、注意する。
できるだけ他の子を生かしたいと考える先生は、祐介以外の子を指名する。
祐介スルスルと
それが不満の祐介は、指名して欲しさに黙って手を上げたまま、席を立ち先生の方に向かう。
その挙句、先生の顔の前で、手を振りアピールする。
祐介達は、戦後のベビーブームの走りで、今の教室と同じ広さに55人が勉強していた。
木製の二人机がびっしり並び、歩く隙間がないようなところを
祐介はスルスルと前に出て行く俊敏さを持っていた。
先生は怒り、祐介を後ろの黒板の前に立たせる。
その程度で諦める祐介でない。
次の質問に対する指名を求め、立っているところからまた、
先生のところまで行き、先生の顔の前で手を振り、指してもらおうとする。
ついに廊下へ
ここまでくると、さすがに先生の怒りは一段階上がり、祐介を廊下に立たせた。
廊下に立たされた祐介は、通りがかりの先生に『またやったのか。少しは反省しろ」と、言われた。
廊下に立たされたことは、一度や二度でないことが祐介らしい。
by gorongoronisomura | 2013-05-14 22:23 | 祐介物語