アカウミガメの産卵、子ガメの脱出降海のことで、一日経っても興奮冷めずという状態です。写真上は、掘り起こされた7匹の子ガメが荒海に向かって、砂浜を必死に歩いている1匹です。砂浜には子ガメが海に向かう7本の筋が、軌跡として残っていました。この子ガメたちそれぞれの厳しい人生を表わしているようでした。必死に4本の足をばたつかせるように歩く姿に、見ていた子どもたちは思わず「がんばれ」と声を掛けていました。この7匹の子ガメは、人の手で掘り出してあげたから海に帰ることができましたが、自然のままでしたら砂の中で死んでしまったわけです。自然の摂理を破る行為がいいのか、考えさせられました。
大島の砂は、新島や神津島の白砂と違って黒いので、太陽の熱を吸収しやすいとのことです。アカウミガメが産卵したところの砂の温度が高くなると、卵が腐ってしまうそうです。そこで、成瀬さんたちは産卵した砂の上に遮光ネットを張って地温が上がらないようにしているそうです。写真右の杭で囲ったところに遮光ネットが張ってありました。
砂の浜以外では、大島北部の野田浜にアカウミガメが上陸した足跡はあったのですが、野田浜の砂の深さが20cmくらいと浅かったため産卵しないで海に帰っていってしまったそうです。
来年もアカウミガメが産卵でき、子ガメが脱出降海できるような大島にしたいと思います。砂浜のゴミ拾いを手伝いたいと思います。