一日に一つ
島在住の藍染作家でもあり陶芸家でもあるSさん
今日もお客様と一緒にお伺いしました。
初めて見るSさんの急須作り
今回、急須を作りきっかけを伺うと、
普段使っているお気に入りの急須の蓋が壊れ、
本体に合うちょーどいい蓋がなかなか見つからないので、
作ってしまおうということになったそうです。
蹴ろくろ
蹴ろくろを操って急須本体の下の部分を削ります。
急須の厚みは、自分で分かっているので、
どの程度削るかは、大体見当が付くのだそうです。
蹴ろくろを回す速さを調整し、削る手の動きを合わせ
何とも職人さんの微妙さが醸し出されています。
バランス感覚
Sさん曰く、急須は難しいといわれるが、取っ手の位置や大きさ太さ、注ぎ口の位置、蓋の大きさなどは
バランス感覚なので、作り手の感性が問われる。とのこと
大量生産的な技術はないので、自分の感性で一つ一つ作る。
そのため、一日に一つしか作らないとのことです。
楽しみながら作る、何とも贅沢な急須です。
急須から発展
急須作りの面白さの話から
日本の工芸技術の現状の危うさへ移りました。
昔は、在野でコツコツと努力しいい作品を作る人を発掘してくれる人がいましたが、
今は、そういう人がいなくなったとのこと。
素晴らしい技術をもった人が、生活できる収入がないので、
後継者がいず、途絶えてしまう。
Sさん曰く、日本の工芸は、もう終わりの段階です。
使い捨ての価値観、生活観が日本の伝統工芸を終焉させたのです。
一度終焉したら、復活はないとのことです。