□通販生活2018年盛夏号から「シビリアンコントロール、私はこう考える」立場の違う4名の方の意見を抜粋。◇3人目の纐纈厚(こうけつ・あつし)さん ・明治大学特任教授「暴走する自衛隊」「文民統制」等著書多数
□今年4月16日の夜、30代の幹部自衛隊員が国会近くの路上で、小西洋之参議院議員に「国益を損なう行為をしている」「馬鹿なのか」などと約20分にわたって罵声を浴びせる事件がありました。
□文民統制とは、「武力組織(軍)」と「民主主義」が共存していくための制度で、軍人に文民への絶対服従を課します。
・国民の代表であり、「文民の代表」の国会議員に対して恫喝まがいの罵声を浴びせる行為は言語道断です。
・そうした自衛隊員による「文民統制逸脱の言動」は戦後ずっと繰り返されており、その反省や教訓は全く活かされていません。
■その例
・2014年12月 河野克俊統合幕僚長が国会審議も始まっていない安保法について訪米時に『来年夏までに終了するものと考えている』と発言
▼第二次安倍政権下で行われた文民統制を骨抜きにする法改正
・第二次安倍政権下の2015年には、防衛省設置法12条が改正され背広組と制服組(自衛隊)が防衛大臣の下で全く対等の地位に置かれることになりました。
・これまでの「文官が武官に優越する」という原則を覆すもので、文民統制は骨抜きにされたのです。
・戦前と同様に政治や外交にも軍事主義的な判断や論理が持ち込まれる危険性が高まります。